予想番付 R5年


令和5年11月場所予想番付

 

照富士

 

貴景勝

大関

霧島

 

大関

豊昇龍

大栄翔

関脇

若元春

琴ノ若

関脇

 

北勝富

小結

阿炎

朝乃山

前1

宇良

正代

翔猿

明生

髙安

豪ノ山

錦木

阿武咲

翠富士

北青鵬

湘南海

金峰山

隆の勝

遠藤

熱海富

妙義龍

御嶽海

竜電

10

佐田海

琴恵光

11

平戸海

玉鷲

12

王鵬

宝富士

13

剣翔

友風

14

狼雅

一山本

15

東白龍

北の若

16

錦富士

美ノ海

17

 

 

 

 

<幕内>

昇進 6〜7

◎ 友風、狼雅

○ 一山本、東白龍、北の若、美ノ海

△ 武将山

× 島津海

 

陥落 6〜7

◎ 大翔鵬、輝、千代翔馬、伯桜鵬

○ 琴勝峰、碧山

△ 錦富士

<トピック>

三役は小結の入替だけ

下位大敗相次ぎ、十両とは6〜7人入替

 

<ポイント>

1 三役昇進

 番付順に2人が再小結

 3関脇は安定の勝越し。東西小結の錦木、翔猿が負け越したので、小結2人が空いた。昇進争いは混戦だったが、大勝ちはおらず、番付順に東筆頭8勝北勝富士と東2で阿炎。西2で9勝の朝乃山は星の上では北勝より上でも、平幕最上位はかなり優先順が高い。上位は実力伯仲、元大関もなかなか三役復帰には時間がかかる。

西4で9勝の宇良など相変わらず運がなく、それどころか5枚目前後で

 ⇨

 

 

2   幕内昇進

 6〜7人入替

 伯桜鵬が全休、さらに下位に大負け力士が続出して陥落相当成績が7人。十両はあまり強い星はいないが上げてもいい星はそこそこいる。7人目に挙がるのが西5枚目で9勝の武将山だが、下3枚で5勝10敗の錦富士との比較でいくと、近年の傾向だと残留優先となりそうだ。

 

 

 

3  十両上位で大勝ち

 3枚目11勝の友風は

 毎場所十両上位での勝ち越しに辛すぎると指摘している気がするが、先場所も十両筆頭11勝の熱海富士が東15枚目。3枚しか上がらず、幕尻で9勝の碧山より下だった。この場所に限っては比較対象が同じく昇進力士ばかりなので、14枚目までは、6枚は上がるか。


令和5年9月場所予想番付

 

照富士

 

霧島

大関

貴景勝

 

大関

 豊昇龍

大栄翔

関脇

若元春

琴ノ若

関脇

 

錦木

小結

翔猿

北勝富

前1

明生

朝乃山

阿炎

正代

玉鷲

隆の勝

宇良

豪ノ山

湘南海

阿武咲

琴恵光

髙安

王鵬

竜電

伯桜鵬

平戸海

翠富士

遠藤

10

御嶽海

北青鵬

11

金峰山

宝富士

12

妙義龍

佐田海

13

錦富士

碧山

14

琴勝峰

熱海富

15

千翔馬

16

剣翔

大翔鵬

17

 

<トピック>

1横綱3大関に、幕尻は東17枚目

平幕上位空洞化で大幅昇進

 

<ポイント>

1 三役昇進

琴ノ若昇進で3関脇に

 また関脇から1人巣立ち、久しぶりに2関脇に戻るべきところ、小結に留め置かれていた琴ノ若がついに11勝をマーク。前例から関脇昇進は確実で、3関脇が維持される。

 東西筆頭の錦木、翔猿が順当に小結へ。

 

2 大関・関脇の東西

 1横綱3大関3関脇と3つの地位が奇数。

 横綱は当然東、2番目の大関か関脇のどちらかを西だけにするはずだが、近年は素直に上から東・西・東、とする傾向なので、新大関豊昇龍が西の2人目に、新関脇琴ノ若は東の2番目となるだろう。

 同じ1横綱3大関3関脇の番付を紐解くと、平成5年秋は、張出大関小錦が東、張出関脇琴錦が西。平成16年名古屋も2番目の大関武双山が東、2番目の大関栃東が西。となっていたが、令和4年秋は2番目の大関御嶽海が西、2番め目の関脇大栄翔が東、と傾向が変わっている(ただ、この場所は小結も3人いたために、交互にバランスを取った可能性もある)。

 

3 幕内昇進

 十両東西筆頭は昇進確実。東2で8勝の狼雅と東西5枚目10勝の2人はどちらが上か微妙なところだが、こういう場合は番付が優先されやすく、若干狼雅有利と見ていた。しかし3人目の昇進枠は空かなさそう。幕尻碧山が後半7連勝で春日野部屋幕内断絶の危機を脱出。下3枚の大翔鵬も9敗してから連勝した。こうなると、いわゆる「強い星」ではない昇進候補3人は見送りだ。

 

4 十両上位で大勝ち

 筆頭11勝で優勝した熱海富士は

 先々場所、筆頭13勝の朝乃山が4枚上昇止まり。3枚目で14勝の逸ノ城が7枚上昇止まり。先場所、筆頭で14勝の豪ノ山5枚上昇止まり、11勝の湘南乃海4枚上昇止まり。突然十両力士に辛くなった。

 これではもはや筆頭で勝ち越してから頑張る意味がないと酷評したのに、性懲りもなく西筆頭熱海富士が11勝で優勝。先場所の例によればあまり上がらないか。というか今場所は下位に人が詰まっており、ようやく空くのが東15枚目。先場所の湘南乃海より上がらないという予想になってしまった。12枚目くらいに上げてもよいのだが、そうすると13,14枚目辺りの力士を下げすぎることになり、最近の傾向からして無理に上に持っていかないものと予想した。


令和5年7月場所予想番付

 

照富士

 

貴景勝

大関

霧馬山

豊昇龍

関脇

 大栄翔

若元春

関脇

 

琴ノ若

小結

阿炎

錦木

前1

翔猿

正代

御嶽海

明生

翠富士

朝乃山

宇良

平戸海

阿武咲

王鵬

北青鵬

北勝富

玉鷲

琴恵光

佐田海

隆の勝

高安

妙義龍

10

錦富士

豪ノ山

11

金峰山

千翔馬

12

若隆景

剣翔

13

琴勝峰

遠藤

14

湘南海

大翔鵬

15

竜電

落合

16

宝富士

武将山

17

熱海富

 

 

 

 

幕内

昇進 4~6

 豪ノ山、湘南乃海、落合

△ 熱海富士、武将山

×狼雅

 

陥落 4~5

 逸ノ城、水戸龍、一山本

○ 輝

△ 碧山

<トピック>

霧馬山新大関、横綱大関4場所ぶり解消

3関脇が大関リーチ

平幕下位がまた混雑

 

<ポイント>

1 三役昇進

小結は2人に 三役総員は1減

 4関脇から1人が巣立ち、残る3人も連続の二桁勝利。3小結は2人が負け越し、8勝の琴ノ若も連続の勝ち越しでそろそろ関脇に上がって欲しいが強い星ではなく据置濃厚。

 3関脇2小結となり、阿炎が空いた西小結に順当に上がることで間違いないだろう。

東3で8勝の翔猿、西4で9勝の錦木は、あえて三役に持ってくるには弱いので筆頭どまりか。

 ⇨予想通り。役力士もだいぶスリム化したが、実力のランクを良く反映している。

 

2 幕内昇進

 1)入れ替え

 4人か5人か

 入幕候補者は多数。4、5番手の3枚目10勝武州山、8枚目13勝熱海富士。ここまでは上げたい。

 役力士が1人減なので、幕尻は西17枚目。最近上げてもいい星の十両力士を留めて幕尻の負越1が残るケースが多かったが、今場所の幕尻東17枚目の輝7勝8敗は陥落となるだろう。これが陥落候補4番手で、5番手は12枚目で5勝に終わった碧山。残ってもおかしくはないが、昇進候補との比較で陥落と予想する。しかし、最近の下がり優先を見ていると、番付運の悪い武将山が泣いたりする可能性もあるが…

→熱海富士が再入幕ならず、西筆頭止まり。碧山が残留した。

 

2)0勝力士

 遠藤は大丈夫?

 ところで、少し心配しているのが遠藤の処遇。平成2年に西2枚目の栃司が全休して落とされている。当時よりも幕内定数も増えているので近年2枚目から落ちた例はないが、3枚目だと直近5年で3例ある。横綱大関と当たった力士は0勝でも落ちないという説もあるが、実際のところよく分からない。昇進枠も十分あるので大丈夫かとは思うが…

→陥落はしなかったが、予想より2枚下の14枚降下。他の大敗力士がそれほど落ちない中で、厳しい編成。陥落危機だ。

 

4 十両上位で大勝ち

 豪ノ山はどこまで  ⇔朝乃山、逸ノ城

 先場所筆頭で13勝の朝乃山が4枚上昇の14枚目止まり。3枚目で14勝の逸ノ城が7枚上昇の13枚目止まり。以下の通り過去の例を引いて予想していたのだが、大外れとなった。

【再掲】

 これまでで最も入幕時の地位が高かったのは、前頭6枚目。昭和43年7月の若見山、昭和45年5月の大受はいずれも前場所西筆頭で14勝で優勝している。だが、いずれも番付大削減直後、幕尻が12~13枚目という時代だから、上がり幅としては6枚程度の上昇。43年7月の義ノ花も同様で、2枚目の13勝で東7枚目。平成11年3月雅山も7枚目だが、当時は役力士が多くて幕尻が14枚目だから、8枚の上昇。早々に勝ち越して大関戦が組まれた。

 上がり幅で参考になるのが平成7年7月の土佐ノ海。筆頭の14勝で10枚上がって西7枚目。上位を二子山勢が占めるため上位対戦圏内で、初日大関戦、2日目横綱戦と新入幕史上に残る過酷な序盤の割だった。

 26年5月に西2の14勝で東7枚目に上がった豊真将は、12枚上昇。

 そのほかの例を引いても、時代によって平幕の枚数が違うので比較できないかと思いきや、余り大差はない。つまり、十両からの上昇には天井があり、上昇枚数の幅は広いが、落ち着くところは平幕中位(前頭7〜10枚目辺り)。周辺の状況によって、その中で適当なところに落ち着いている。

 

 番付は生き物とはいえ、十両最上位での13勝以上は滅多にないことなので、先場所の今場所で大きく差はつけられないだろう。とはいえ、今場所はやたらと平幕下位が混雑しており、10枚目あたりに置きたいところ。その下には上位で休場や大きく負け越した力士が4人ほど集中するので、彼らの下におけば朝乃山と同じような地位には置けるが、西筆頭11勝の湘南乃海とは適度な距離を置きたいところだし(湘南もそれなりに上がって然るべき成績)。予想としては、11枚目に落ち着いた。先場所の逸ノ城と同じ7枚上昇だ。

→東13枚目止まり。筆頭で14勝したのに5枚だけの上昇。同じ筆頭で11勝の湘南乃海と1枚しか違わず、バランス的にも違和感あり。新入幕優勝しても三役に上がれなさそうな地位だ。これでは夢も希望もない。入幕を決めたらあとは怪我しないように流していた方が得だ。

 朝乃山の14勝での十両据え置き、筆頭で13勝での4枚上昇の措置を正当化するような編成である。苦言を呈さざるを得ない。


令和5年5月場所予想番付

照富士

横大

 

 

大関

貴景勝

霧馬山

関脇

豊昇龍

大栄翔

関脇

若元春

琴ノ若

小結

正代

若隆景

小結

 

阿炎

前1

翠富士

翔猿

髙安

遠藤

宇良

錦富士

錦木

金峰山

琴勝峰

隆の勝

明生

北勝富

佐田海

宝富士

玉鷲

朝乃山

逸ノ城

平戸海

10

御嶽海

北青鵬

11

大翔鵬

琴恵光

12

阿武咲

千翔馬

13

碧山

竜電

14

妙義龍

一山本

15

剣翔

水戸龍

16

王鵬

17

 

<三役>

(増枠中3)

昇進  0〜2

◎正代

△阿炎

×翠富士

陥落 1

◎翔猿

 

<幕内>

昇進 2~3

◎ 朝乃山、逸ノ城

△ 湘南乃海、豪ノ山

陥落 2〜3

◎ 武将山、東龍

△ 輝

<トピック>

一転角番、西大関不在危機

大関同時昇進も?

隆景、1年守った関脇明け渡す

朝山、逸城は中位で幕内復帰?

平幕下位が混雑の珍現象

 

<ポイント>

1 三役昇進

4関脇確実、3小結で三役総員維持か

 3関脇4小結からは小結翔猿が陥落。7勝7敗1休の関脇若隆景は、近年の運用だと平幕には落ちない。

 西筆頭10勝の正代は増枠してでも上がる成績。東2で9勝の阿炎、西5で10勝の翠富士も昇進相当だが、無理に上げる程ではない。

 よって翔猿と正代の入れ替わりだけで、総数維持が有力。

 後半戦は昭和以降初の横綱大関不在となり、当然実力トップの三役勢が好成績を残すので、しばらく定数には戻らないだろう。

 

 ⇨予想通り、4関脇3小結に。正代だけが昇進した。

 

2 関脇昇進

(1)若隆景7-7 1休

 昨春の新関脇優勝依頼勝ち越しを続けてきた実績から、7-7 1休なら番付を維持させたいところだが、小結に勝越し3人いては据え置けない。小結に落ちるのが確実。

(2)好成績の3小結

    大栄翔12勝、若元春11勝、琴ノ若9勝と好成績。「小結で11勝以上は昇進」の例に沿って2人は関脇に。これで4関脇が埋まるので、9勝の琴ノ若は小結止まり濃厚。ちなみに5関脇の前例はあるが、まずないと考えてよいだろう。

 

⇨予想通り。11勝以上の2人が昇進。

 

3 関脇の東西

 西正位は豊昇龍で10勝。東の2人目が霧馬山で12勝の優勝。東西の場合だと2勝差くらいでは入れ替えはないが、空いている東正位にどちらが入るかということなら、霧馬山が入るだろう。小結から昇進の2人も豊昇龍より好成績だが、既存者優先で2番目の東西関脇となる。

 

⇨予想通り。霧馬山が東。予想に記載した運用が続くと考えて良いだろう。雑誌等では番付順に豊昇龍が東という予想もあったが、上記の通り東から西へ回したりしないのであれば、成績順に逆転が通例だ。

 

4 小結の東西

 前場所と同じく、西小結琴ノ若が東に回り、筆頭から昇進の正代は西。1勝差くらいでは逆転しない。関脇から落ちてきた場合はほぼ序列最下位になるから、若隆景は東2番目。東西のバランスが関脇まで同数なので、東に置く。

⇨若隆景と正代が逆。

 落ちてきた場合は序列最下位と予想したが、筆頭の10勝よりも上位になった。この点、毎回審判部の匙加減なので予想が困難だ。

 4年春に関脇から落ちた隆の勝は6枚目11勝の豊昇龍との比較で東小結。同年九州に関脇から落ちた大栄翔は、3枚目13勝の玉鷲、西筆頭10勝の翔猿との比較で小結4番手となった。今回の若隆景とこのときの大栄翔は、東正位か関脇3番手かの違いはあるが、相手は同じ西筆頭10勝。間に挟まっている役力士の数が影響したのかどうかはわからないが、難解だ。

 

5 十両上位で大勝ち

 朝乃山、逸ノ城はどこまで

 十両上位で14勝、13勝の強豪二人は異次元だった。前頭一桁まで行くのか。

 これまでで最も入幕時の地位が高かったのは、前頭6枚目。昭和43年7月の若見山、昭和45年5月の大受はいずれも前場所西筆頭で14勝で優勝している。だが、いずれも番付大削減直後、幕尻が12~13枚目という時代だから、上がり幅としては6枚程度の上昇。43年7月の義ノ花も同様で、2枚目の13勝で東7枚目。平成11年3月雅山も7枚目だが、当時は役力士が多くて幕尻が14枚目だから、8枚の上昇。早々に勝ち越して大関戦が組まれた。

 上がり幅で参考になるのが平成7年7月の土佐ノ海。筆頭の14勝で10枚上がって西7枚目。上位を二子山勢が占めるため上位対戦圏内で、初日大関戦、2日目横綱戦と新入幕史上に残る過酷な序盤の割だった。

 26年5月に西2の14勝で東7枚目に上がった豊真将は、12枚上昇。

 そのほかの例を引いても、時代によって平幕の枚数が違うので比較できないかと思いきや、余り大差はない。つまり、十両からの上昇には天井があり、上昇枚数の幅は広いが、落ち着くところは平幕中位(前頭7〜10枚目辺り)。周辺の状況によって、その中で適当なところに落ち着いている。

 今回の2人も、おそらくそのレンジに落ち着くだろう。

 

⇨朝乃山、まさかの4枚だけのアップ。逸ノ城も7枚。中位から下位が詰まっていたことはあるが、あまりにも酷い。直近平成31年の志摩海も筆頭13勝で12枚目止まりだったが、それよりも上がらなかった。先場所の幕尻に乗っかっていれば、同じくらい星を重ねて、5枚目に躍進した金峰山と同じくらいには上がっていただろう。1場所出場停止が追加されたくらい損をしている。

 

6 幕内昇進

 武将山、東龍が落ちる星で、入幕確実の朝乃山、逸ノ城と入れ替わる。西3で9勝の湘南乃海、東6で11勝の豪ノ山も上がって良い星だが、陥落候補3番手は東12で5勝10敗の輝。下に4枚半と微妙な星。非常に悩ましいが、どうも近年は迷ったら残留の傾向。昇進は2人だけと予想する。

⇨予想通り、輝残留。豪の山、湘南の海は涙。

 やはり残留の方が強い。ギリギリ残る星が、上げても良い星を上回った。


令和5年3月場所予想番付

 

照富士

横大

 

 

大関

貴景勝

若隆景

関脇

豊昇龍

霧馬山

関脇

 

若元春

小結

琴ノ若

大栄翔

小結

翔猿

玉鷲

前1

正代

阿炎

竜電

錦木

御嶽海

阿武咲

明生

琴勝峰

翠富士

遠藤

佐田海

髙安

北勝富

碧山

平戸海

宇良

一山本

妙義龍

10

錦富士

東龍

11

隆の勝

12

宝富士

武州山

13

北青鵬

琴恵光

14

王鵬

大翔鵬

15

朝乃山

剣翔

16

水戸龍

金峰山

17

 

<トピック>

1横綱1大関継続

4関脇4小結は縮小?

朝乃山幕内復帰なるか

落合初の1場所で関取か

<ポイント>

1 三役昇進

関脇4小結維持?

(0)三役総数

 長らく関脇・小結は2人ずつの定数厳守が続いてきたが、昨秋は3関脇3小結、九州は3関脇4小結、そして初場所4関脇4小結と膨れ上がった。

    通常小結〜平幕上位は上位戦が多くて勝ち越しは至難の業だが、上位陣が少なくて弱い場所が続いて上位に居残る力士が続出。大関が立て続けに陥落したこともあり、平幕上位は異常に混雑し、勝ち越して半枚すら上がれないケースが多発。三役を定数に戻すに戻せずという面もあった。いっときに定員通りに戻すと三役から4人分が放出され、おかしな状況が生まれてしまう。かといってずっと4関脇4小結というわけにはいかないので、徐々に戻していきたいところだ。ゼロ金利もついに終わりつつある。

 それがいつになるのか。大関に上がってくれれば良いのだが、すぐには厳しい。

 3人が陥落する星、3人が上がる星。入れ替えて合計8人を維持したいところだが、来場所に関しては役力士1名減くらいなら、平幕力士もあまり違和感なく収まる。

(1)玉鷲再小結?

 東西筆頭は据え置きというわけにはいかないので昇進濃厚。玉鷲(西2・9勝)を上げるかどうかという話になる。これまで見送られてきた例は多数ある。役力士を定数に早く戻したいのか、それとも上がる成績の力士がいれば上げるのか。審判部の判断となる。

 

(2)関脇は減枠?若元春?大栄翔?

 関脇は2人が勝ち越し。小結11勝の霧馬山は、これまで何度か取り上げてきたように必ず関脇に上がる成績なので、3関脇は確定。4人目の関脇は筆頭で10勝の大栄翔か、小結9勝の若元春か、それとも3関脇とするのか。候補者多数のため、琴ノ若は小結据置が濃厚だ。

 3関脇にするなら、4小結となって(1)玉鷲は平幕止まりとなる(過去、1度だけ5関脇はあるが、5小結は前例がない)。逆に玉鷲を上げたいなら、4関脇とする必要がある。

 小結の9勝で関脇を増枠して昇進させた例は平成11年5月の出島以降なかったが、先々場所豊昇龍が上がった。この場所は西関脇の大栄翔がコロナ特例で残留したことや、小結への昇進候補もつかえていた事情もあったが、ここで珍しく増枠したことをきっかけに一気に定数緩和が進んだ。豊昇龍は連続3場所小結を務めていた事情も加味されたのかはわからないが、次の場所で再小結9勝の霧馬山は関脇増枠とはならず、小結に留められた。その後なので、新三役で9勝しただけの若元春を上げようとなるのか。いや、上げるなら実績十分の大栄翔が成績の有利を活かして飛び超えて関脇復帰か。これも審判部の判断次第だ。

 

 結論としては、3関脇4小結と予想する。4関脇4小結は先場所のようなどうしてもせざるを得ない場合の措置と考えて、チャンスがあれば縮小させないと、5人目の関脇や小結を置く異常事態に陥るおそれがある。今場所は減枠のできる状況である。

 となると、玉鷲は筆頭止まり、霧馬山は前例に沿って関脇に上げるが、その他は無理に上げる星ではないとして小結に留める。

 気持ち的には景気良く上げたいが、審判部の思惑も鑑みた予想番付としてはこれが一番確率が高いと思う。

 

➡︎予想通り、3関脇4小結に減枠。

 

 関脇の東西

 3関脇と予想したが、小結霧馬山が前場所成績としては東関脇若隆景9勝、西関脇豊昇龍8勝を上回る。しかし傾向を見るに、昇進者は既存の力士を東から西に回してまで割り込まず、後順位となっているから、若隆景、豊昇龍、霧馬山の順席だろう。

 

➡︎予想通り、小結から上がった霧馬山は東の2人目。

 

3 小結の東西

 4小結も同様、既存の2小結の後ろに筆頭から上がる大栄翔、翔猿が成績順に続くと思われるが、正小結はどちらだろうか。わざわざ東西が入れ替えないのが近年の傾向だが、今回東小結は空いており、西小結琴ノ若8勝と西2番目の小結若元春9勝なら、成績が上の若元春を東正位に据えるだろう。空いているのならばと西筆頭10勝の大栄翔が収まる可能性もあるが、2年前には同じ西筆頭で優勝しながら、なぜか3人目の小結だった例もある。

➡︎予想通り、若元春が東、琴ノ若が西と成績順。2番目に筆頭から再昇進の2人がこれも成績順に続いた。やはり、傾向通り。 

 

4 幕内入れ替え

 朝乃山は届かない?

 引退に休場、幕尻の大敗と4人分は確実に空く。次が下に1枚で7勝8敗の東西15枚目だが、近年幕尻近くの7勝は異様に残留力が高い。なので最も危ないのは下5枚で5勝10敗の千代翔馬か。

 西1、東2で9勝の2人は当確。続いて西6で12番の大翔鵬(朝乃山に土をつけた)、東5で11番の金峰山。西12で14勝の朝乃山がこの両者を上回れるかというと微妙なところ。東4で9勝の東白龍よりは上だろうが、順当に行けば4番手。どういう判断になるだろうか。飛び抜けた成績だと評価されれば逆転があってもおかしくはない。興行的に言えば上げたいところ。思い切って千代翔馬と入換と予想した。

➡︎ムードに流されず朝乃山は十両筆頭止まり。千代翔馬は残留した。また、その他入幕力士の位置が大きく異なり、ギリギリと見た金峰山が14枚目。十両上位の力士よりも、中位で大勝ちした力士が上になった。

 貴景勝綱取りに追い風といった失礼な記事もあったが、事実幕尻優勝した徳勝龍に負けたことがあり、朝乃山にしても幕尻照ノ富士に敗れて賜盃を攫われているので、あながち極論でもない。入幕争いが綱取りに影響するとはいよいよ番付は当てにならない時代だ。

 

 

三役

(増枠中4

昇進  0〜3

◎大栄翔

○翔猿

△玉鷲

 

 

陥落 2~3

◎髙安、明生

○正代

 

 

幕内

昇進 3~4

 武将山、北青鵬

○金峰山、大翔鵬

△ 朝乃山

 

陥落 3〜5

 千代丸、逸ノ城、栃ノ心

× 千代翔馬、水戸龍、剣翔

引退 1

 隠岐の海


令和5年1月場所予想番付

 

照富士

横大

 

 

大関

貴景勝

若隆景

関脇

豊昇龍

正代

関脇

 

髙安

小結

霧馬山

琴ノ若

小結

明生

若元春

阿炎

翔猿

大栄翔

御嶽海

翠富士

玉鷲

佐田海

錦富士

竜電

錦木

妙義龍

北勝富

阿武咲

王鵬

遠藤

逸ノ城

隆の勝

宇良

10

栃ノ心

碧山

11

千翔馬

平戸海

12

隠岐海

13

琴勝峰

琴恵光

14

一山本

剣翔

15

東龍

千代丸

16

宝富士

水戸龍

17

 

 

 

<三役>

降下 1

 正代(大関)

昇進  1〜4

◎髙安

○琴ノ若

×明生、阿炎、若元春

 

陥落 4

×御嶽海、 翔猿、大栄翔、玉鷲

 

 

<幕内>

昇進 3~4

◎ 千代丸、剣翔

○ 水戸龍

△ 武将山、天空海

 

陥落 2〜3

 照強、熱海富士

△ 宝富士

引退 1

 千代大龍

<トピック>

128年ぶりの1横綱1大関、大関貴景勝は西へ

上位さらに過密

関脇、小結の数は?

 

<ポイント>

1 大関の東西

  優勝同点で西へ?

 正代が陥落してしまい、御嶽海も復活ならず、いよいよ1大関に。2年ぶりに横綱大関が復活して一人横綱照ノ富士が東大関を兼ねる。大関は東西に置くのが番付の決まりなので、貴景勝は西に。見慣れない形だが、そうなるはずだ。

 序列が落ちるわけではないが、優勝同点なのに東正位から西に回る珍しいケース。

 

 

2 三役昇進

 3関脇4小結維持?

    上位陣縮小の過程で、本来至難の業であるはずの幕内上位勝ち越しが容易になり、三役から平幕上位に多くの力士が居座る状況が続いている。 

 さらに名古屋では番付を下げられないコロナ関連の休場者が続出したことで、頑ななまでに堅持していた関脇小結の定数を緩和して、上位の詰まりを緩和したが、それでも勝ち越したのにほとんど上がれない不運が常態化した。被害者代表の琴ノ若は、年間最多勝を争いながら結局三役にも上がれなかった。その父が審判部長では他の力士も文句を言えないだろう。

 秋は3関脇3小結、九州は大関からの陥落もあり3関脇4小結と膨れ上がったが、それでも上位の詰まりは解消されない。

    そんな状況なので、今場所は4人が三役から陥落するにも関わらず、定数に戻すに戻せない。これまでなら不運な見送りを食っていただろう西筆頭9勝の琴ノ若、東2で9勝の明生らを平幕に止めると、僅かな負越しで三役陥落の4人が大きく番付を落としたり、3〜7枚目に7人もいる勝越し力士が据置どころか下がるケースも出てきてしまう(別表)。これは地獄絵図だ。上がれない不運は見過ごされるが、さすがに勝ち越して落ちることは回避するだろう。

 折悪く正代が大関から陥落し3関脇は確実。西小結8勝の霧馬山よりは東筆頭12勝の髙安が上位で良いが、最近空きがなければ平幕から関脇にはしない(筆頭で13勝Vの大栄翔すら)ので、4関脇はなさそう。

 小結は髙安、霧馬山に加えて、琴ノ若、明生が有力。ひと昔前なら平幕優勝の阿炎は自動的に三役昇進だったが、8枚目朝乃山、9枚目旭天鵬が見送られた直近の例がある。

 3関脇4小結を維持しても、正代が落ちてきた1人分平幕は圧迫されて苦しい編成になる。普通上位が詰まれば中位か下位にエアポケットができるものだが、今場所はそれもなく上から下まで詰まり、勝ち越し力士受難の新番付となりそうだ。

 今場所の番付の納得性を確保するには4関脇4小結がベストかもしれないが、これ以上の定数緩和は日銀のゼロ金利政策の二の舞になりそうな気がするので、あえて関脇1枠の余裕を持たせておいた。コロナ据置でも出たらいよいよ困窮してしまう。

 

3 関脇の東西

  3勝差は入換なし?

 3関脇と予想したが、陥落してくる正代が張出相当になるのは間違いないとして、8勝の若隆景と11勝の豊昇龍が入れ替わるかという問題がある。かつては成績順に並び替えられたが、近年はブレがある。

 平成後期の傾向としては、こちらの通り。令和にもこの傾向が続くとすれば、3勝差では入れ替わらないはず。

 

 

 

4 幕内入れ替え

 4人目は宝富士との比較

 3人分が確実に空くので、筆頭千代丸(8勝)、東3剣翔(10勝)は確定。3人目が西2武将山(8勝)と西3水戸龍(9勝)、東5天空海(10勝)の争い。水戸龍が優勢とみる。武将山はこれで何度目の惜しい見送りか。先場所も西4の8勝で可能性があったが幕尻2人が甘めの残留の煽りで上がれず、そうなると筆頭で7勝8敗の千代丸より下になってしまい、今場所の劣勢につながった。

   気の毒なので幕内の陥落候補を見ると、東8宝富士が3勝12敗。9点負越しと考えると落とされても不思議ではないが、伊勢ヶ濱勢3人目の陥落は考えにくい。来場所文句なしの星での昇進を期待。